2007.8.26 19th 尾崎 徹

☆土の歌、その音楽の深遠2

 

『ヒロシマの、そしてナガサキの痛みを本当に人間達はわかっているのか』と絶望的な旋律が虚しさと共に最後までドラのようなリズムを背負って継続する。分かり合えない偉人気取りの凡人達が再び同じ間違いを繰り返してまで…破滅の導線は常にかれらの足元にあるとも気付かないで昨日の裏切りを明後日に晴らそうとしている惨めさ。そんな人間どもの浅はかさも土がえぐりとろうとしている。土の、届かぬ歌をどれだけ伝えられることが出来るだろうかと悩みながら必死に訴えかける重いシベリウスにも似た旋律の想いがこの歌に込められている。

 

『もぐらもち』とは‘餅’のことではなくて恐らく広島辺りの方言としてモグラのことをそう呼んでいたのだろう。行く先の見えないモグラが彷徨い歩くさまを捉えてそれを人間だと冷笑する…人間の行き着くところはやはり土の中しかない。その土をなおざりにして、土の中の生きもの達を無視して暮らすことは土の上に生きるものとして許されないことなのだ、と、半分諦めたかのような、しかし皮肉を込めて我々に訴え掛けようとしている。私達にしてみれば音取りの‘苦悩’?を課せられた立場として八方塞がりの気持ちは分からなくもないが…。